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承認 1

タルタロスと冥界を繋ぐ門。
その門の封印を巡って、サイクロプスとハーピーの冥闘士は互いに相手をこの場から引き離そうとする。
だが魔星をその身に持つゆえ、仲間に対してどうしても必殺技が使えず、勝負は消耗戦へと変わっていった。
そうなると持久力の勝負になるのだが、今のサイクロプスの方はバレンタインの想像を超えたパワーとスタミナを有していた。
(何者かがギガントを支配しているのか!)
そうなると今度はギガント本人の能力では、この闘いは許容範囲を越えている筈である。
いずれ彼は自滅してしまう。
バレンタインはギガントに気取られない為に、他の仲間に行き先を知らせなかったことを後悔した。
よもやギガースたちが、サイクロプスの冥闘士を使って最も強固な扉を開けようとしているとは思わなかったのである。
(不穏な現象を示している場所が囮だったとは……)
冥界のあちこちに発生した空間の歪み。
しかし歪みは所詮、ささやかな現象でしかなかったのだ。

そしてサイクロプスの冥闘士は、一瞬だけハーピーの冥闘士の隙を付く事に成功する。
「!」
ギガースの傀儡と成り果てた者は思いっきり鎖を引っ張った。
その瞬間、冥界の大地は震えた。

「これは!!!」
本来、冥王と三巨頭しか知らない筈のタルタロスの門。
そこが開けられた事を、全軍の指揮をとっていたグリフォンのミーノスはハーデス城に居ながらにして察知した。(いったい誰が!)
彼はルネに後の事を命じると、タルタロスへの門に向かう。