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証明 4

「アテナ。地上を守れ!
呪術媒体には私がなる」


激しいスパークと共に、沙織の脳裏にエリスの思考が雪崩込む。
何が用意されているのか。誰の協力が必要なのか。
そして何をしなくてはならないのか。
短時間の間に修正が施された地上を守る為の計画。
その全てが沙織の意識の前に提示される。

争いの女神はギガースと対決する為の下準備をしてくれていたのである。

「前へ進むのだ。アテナ」
争いの女神の身体は、徐々に光りに包まれる。
エリスは自分の依代を見付ける為に色々な呪術を自分に掛けていたので、沙織よりも抵抗なく紋様が身体に現れる。
「先生!」
沙織がそう叫んだ瞬間、争いの女神は戦の女神を聖闘士の方へ弾き飛ばした。
牡羊座の黄金聖闘士が沙織を受け取る。
「いいな。 絶対に諦めるな!」
それだけを言うと、争いの女神は沙織たちの目の前で光になった。


「!」
光り輝く双児宮を星矢達は呆然と見ていた。
何が起こったのか判らない。
呪術が完成し、沙織の身に何か起こったのか?
しかし、そう考えながらも、争いの女神が何かしでかしたのではという思いも有った。


同じ頃、闇と氷に包まれた空間では絵梨衣の身につけていた腕輪が崩壊。
カミュの目の前で、彼女は黒いマントを被ったまま一瞬にして消えたのである。
「エリイ!」
彼女の身体を掴み損ねたカミュの手に、光がこぼれ落ち消えていく。
厳しい眼差しで光を掴んでいる青年を、白鳥は悲しげに見つめた。