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続・条件 2

空間に歪みの見える聖域。
二名のギガースは血を求め、自らの怒りのを開放すべく、聖域に侵入する。
今は、母なるガイアが全面的に協力してくれている。

『目障りな聖域を塵に変えてくれよう』
『小賢しい聖闘士など、片手で捻り潰してくれよう』

『人の血は我らに力を与える』
『人の悲鳴は我等の心を熱くする』

『我の上にエトナ火山を乗せた、憎きアテナ……』
『我が鎧を奪った、狡猾なる女神アテナ……』

『必ず滅ぼしてくれよう』
『そして我等がこの地上に立つのだ』

猛々しい影は女神の聖域に向かう。
そして大地からの侵入は、難なく成功した。

その気配に、ダイダロスとオルフェは尋常ではない敵の存在を察知する。
近くにいた白銀聖闘士達も、海辺の異変に気付き何人かが向かった。

圧倒的な力。
凶暴な姿。
血に飢えた巨人エンケラドスが、崩壊した神殿後の空間から地上へと姿を現したのである。
同時にオルフェはストリンガーノクターンを奏でる。
親友のダイダロスが、既にこの場所の空間異常に気付いていたのだ。
巨人は光の調べに苦しみ、天を仰ぐと絶叫した。

「何だ。この力は!」
巨人の声は周囲の岩を粉砕。
そして、その岩はオルフェ達を襲う。
「しまった!」
足元の砂もまた、この場所にやって来た闘士達を呑み込もうとしている。
まるで岩と言う岩、砂と言う砂が巨人に味方しているかの様に、一斉に攻撃し始めたのである。
巨人の声は尚も続く。
砕かれる岩は徐々に広範囲となり、それらが竜巻の様に天へと昇る。
「聖域中に岩を落とすつもりか!」
そのような事をされたら、聖域の被害は昨日の比ではない。
しかもあの騒ぎで、既に聖域の建物のほとんどが何らかの被害を被っている。
だが、肝心の巨人に彼らは近づけなかった。
砂地はゆっくりと彼らを呑み込もうとしているのだ。
そして、エンケラドスの周辺は岩が保護壁の様に渦巻いており、巨人自らの発する声に邪魔をされてオルフェの竪琴の音色は届きそうにない。
「このままでは、聖域が滅ぼされてしまう!」

その時、巨人の頭上で何かが光った。