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シオンは白羊宮の前に立つ。 |
エリス達がアテナの箱を持ってハーデス城からハインシュタイン城へ帰還した時、ちょうど一輝とエスメラルダは荷物を片付けている最中だった。 エリスは変わらずだがパンドラは沈んだ表情をしており、背後にいたワイバーンの冥闘士は何処か殺気だっている。 そして彼の部下がやって来る気配がない。 一輝の表情も自然と険しくなる。 「休息をとらせたか?」 エリスは二人に近付きエスメラルダの方を見た後、一輝に尋ねた。 「あぁ……」 争いの女神の問いに、一輝は自分の推測が当たっていた事を知った。 「ならば、聖域に戻るぞ。 こっちの用件は終わった」 ところが、辺りを見回しても関係者が二名足りない。 「アンドロメダと牡羊座の弟子はどうした?」 「冥闘士と一緒に城の方へ行った。 呼んで来よう」 バスケットを持って城の方へ向かう一輝に、ポットとカップを持ったエスメラルダがちょこちょこと後を追う。 パンドラはそんな二人の後ろ姿を見つめている。 ラダマンティスはパンドラに視線を向けた後、自分の右手を見た。 |