ところがその通路を曲がった途端、目の前に飛び込んできた光景に彼女は驚き冷静さを欠いてしまう。
「ミロ!」
黄金の鎧をまとう青年が岩の上に横たわっているのである。
下半身は泥らしきものに浸かっており、岩から転がり落ちれば彼はそのまま呑み込まれてしまう。
彼女は慌てて蠍座の黄金聖闘士に駆け寄る。
だが、彼女がその泥だと思っているものに足を踏み入れた時、それらは正体を現した。
「あっ!」
ただの泥だと思っていたものは、いきなり柱のようにそそり立ち、シャイナに襲いかかったのである。
(罠か!)
謎の石像と同じように、自分の技はこの敵には通用しない。
その時、聞いたこともない声が彼女の耳に届く。それは人の声でない事だけは、判った。
声は恨みがましそうに言う。
アスクレーピオスを捕らえて、地上への復活を果たす……。
シャイナは神話で伝えられている蛇使い座の名をいきなり聞かされて、驚いた。
その隙を付いて、謎の敵はシャイナの足を捕らえる。
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