日本では美穂が幼い子供達と花壇の手入れをしていた。 「美穂お姉ちゃん。お花さん、元気ないね」 女の子は花が重そうに傾いている植物をじっと見ている。
「どうしたんだろうね」 美穂はそういいながら、絵梨衣やジュリアンの事を思い出していた。 心の中では何かに泣きつきいて、思いっきり大声を出したいと思っている。
しかし、自分が不安げな表情をすると子供達も不安になるので、表面上は明るく振る舞う様にしていた。 (しっかりしなきゃ……) 美穂がそう考えた時、小さな手が自分の服を掴んでいた。
「あっ……」 その小さな手の主は、自分の事を不安げに見ている。 美穂は自分が彼女を不安にさせているのだと気が付き、慌てて作り笑いをする。
とその時、手伝いにきてくれている女性が、お菓子が焼けたと声をかけてきた。 |