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衝撃 5

シャイナの報告により、黒の聖域とそこに現れる石像の巨人の事を知らされて、シオンは腕を組む。
普通なら聖闘士を派遣してポリュデウケースを捕らえるべきなのだが、今は天上界から来る存在から聖域とアテナを守らねばならない。
結局、力を分断されてしまい、どちらを優先しても、きっと絶望を伴う闘いになるのは確実だった。
その時白銀聖闘士の一人がやってきて、彼らに結界が消滅したことを報告した。
既に何人かの白銀聖闘士がデスクィーン島へ向かう準備をしているという。
今直ぐに決断をしなければと思い、シオンが口を開こうとしたその瞬間、広場にやってきた者たちがいた。
そしてその者たちの登場を、全員が驚いてしまった。


望むは知識。好奇心の赴くがままに。
理解することは喜び。
そして世界の深淵を覗く。
たとえそれが禁忌に足を踏む入れる事になろうとも……。


ダイダロスは自分の名を呼ぶ親友の声に、意識を取り戻す。
「オルフェ……」
「気がついたか。 このまま起きないのではないかと思った」
ダイダロスがゆっくりと上体を起こす。 彼は辺りを見回したが、海辺には自分とオルフェしかいない。
「瞬たちはデスクィーン島へ行ったのか?」
「いいや。ちょっと事情があって、シオン様に会いに行った」
オルフェは立ち上がる。
「そうか……」
「弟子では君を引き止められない。 だから僕が残ったんだ」
親友の言葉にダイダロスは驚く。
「……」
「ダイダロス。僕にだけは嘘を付くな。
ユリティースに会いに行く時も、君の助言がなければ行くことなど不可能だった。
さっき君の弟子から、君がここの場所にあった結界を維持する石版を砕いたと聞かされた」
ダイダロスは俯きながら、何も言わずにオルフェの言葉を聞いている。
「君は聖闘士が知る必要の無い事をたくさん知っている。 それも他の神々に関わることをだ……」
するとダイダロスは自嘲気味に笑って、立ち上がる。
「私は何も知らない……。 知っていたらこんな無茶はしないさ」
「……そうか、それならいい。全て偶然の産物という事にしておく。
ただ、プロメテウスの二の舞は止めてくれ」
するとダイダロスは視線をオルフェから海の方へ移す。
「神々から炎を盗んだ方が、罪の所在がハッキリしたかもしれないな……」
オルフェは親友の様子に不安を感じた。