可愛がっていた教え子を神々の策謀で失った『競い』の女神。 しかも、被害者の子は最初から居なかった者にされてしまう。
そして彼女は加害者となったもう一人の教え子に、忘却という名の水を飲ませる。 親友を傷つけたゆえに、その子の心が全てを拒絶してしまったから。
その子は何も見ない。何も反応しない。 唯一、競いの女神にだけは反応を示す。 信頼関係だけは教え子の中に残っていたのかもしれない。 しかし、その子の心を取り戻す為に、女神は忘却の水を使った。
使えば今度は自分との事を忘れてしまうのだが、それで教え子がもう一度自分を取り戻してくれるのならばと、彼女は泉の水を飲ませる。 教え子は何かを察して最初は口にしなかったが、彼女はそんな教え子を騙した。
そして女神は、自らその力の性質を変えてしまう。 競いから争いへと……。
全ての者たちに災いを与える存在に……。 |