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分岐点 6

その男が姿を見せた時、三人の黄金聖闘士たちは自分たちの悪い予感が当たったことを知った。
「やっぱり来やがったか」
デスマスクは苦笑する。
不死なる男との対決は、短期決戦に持ち込まないと負けるのは確実だった。
「アテナエクスクラメーションを構えているかと思ったぞ」
彼は冷たい笑みで三人を見た。
「お前に有効なら最初からやっている。
だが不死性を利用されて、逃げられるわけにはいかない。
ポリュデウケース」
シュラはそう言って右手を構えた。
彼は感心したかの様に、黄金聖闘士たちを見ている。
「私の名に気がついたか。 しかも、考えを読まれていたとはな……。
この身体をお前たちの手で処分してもらおうと思ったが、無駄みたいだ」
ムウはその手に力を込めた。
「あなた自身を捕らえねば、これから何度でもアテナと聖域は危険に晒されます」
神との闘いにおいて、人間の最大の弱点はその寿命だった。
神は何度でも勝負が出来るが、人間たちはその生涯に一度しか出来ない。
ここで彼を取り逃がせば、やはり次世代の黄金聖闘士たちも取り逃がすだろう。
分の悪い勝負ではあるが、何とか勝たなくてはならなかった。
そしてポリュデウケースは彼らの気迫に心地よさを感じていた。
「やはり人を信じて育てた甲斐がある。
お前たちが不可能に挑戦しようと言うのなら、私も受けてたたねばなるまい」
ポリュデウケースの身体から、闘気が溢れる。
そしてその小宇宙は力強い輝きを放っていた。
「では、この聖域を造り上げた初代黄金聖闘士の一人である双子座のポリュデウケースに、お前たちの力を見せてみろ。
三人とも腑抜けな闘い方をすれば、抹殺させてもらう」
彼の言葉に三人は絶句した。