美穂は自分の発言にビックリして、目を覚ました。
(あれっ?)
彼女は自分のいる部屋を見回す。
見知らぬ部屋。
どうしてここに自分がいるのかが分からない。
そこへ一人の女性が部屋に入ってきた。
「あっ……。 ここは何処ですか?」
すると女性は美穂がここにいる理由を説明してくれた。
どうやら、宴から戻る途中で睡魔に襲われたのか、熟睡してしまったというのだ。
その為、教皇に背負われて聖域に戻ってきたという事だった。
(……恥ずかしいなぁ)
最後までやり遂げようと思っていたのに、最後の最後で迷惑をかけてしまった。
これでは星矢にとっては迷惑な幼馴染み以外の何者でも無いだろう。
(これ以上ボロが出る前に日本へ帰ろう)
美穂は自分の手荷物に視線を移した。
女性もまた美穂の手荷物を見る。
「美穂さまがこちらで何不自由ないよう仰せつかっております。
すぐに良い家を用意しますから、しばらくお待ちください。
それから、ここから出ては危険です」
女性の言葉に、美穂は自分の耳を疑ってしまった。
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