女神ネメシスと別れた後、外で彼らを待っていたのは【黒い翼のケール】たちだった。
絵梨衣とエスメラルダは意識体の筈なのに、実体を持つようになっている。
これは夜の世界への同調が最終段階に入って居ることに他ならないと、彼女たちは少々分かりづらい言葉で説明をする。
彼女らは氷河に外への道を示す。
それは姉神と王妃レダを助けてくれた礼だと、彼女らは言った。
「出口はこっちだ」
そう言って氷河は絵梨衣を抱き抱えたまま走り出す。
「行くぞ。サガ」
氷河と同じようにエスメラルダを抱き抱えたカノンが後に続く。
しかし、サガは気になる事をケール達に尋ねた。
「アイオロスとアイオリアの行方を知らないか?」
その問いに彼女たちは、
『闇ヲ知ル、光ニ帰ル』
とだけ言って、そのまま暗闇の中へ飛び去ってしまう。
「……」
サガは出口の方へ駆け出す。
彼らの背後では女神ニュクスの神殿が、徐々にその姿を闇に溶け込ませ消えてゆく。
後には夜空と淡い光を放つ草原の草花たちが残った。
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