捜し物ゲームが終わったとばかりに、ニンフたちは自分のお気に入りの場所へと引き上げてしまう。
瞬は同じ部屋にヒュプノスとタナトスが居るという状況に立たされた。
『大騒ぎをした割には不甲斐ないな』
そう断言されたが、瞬は反論せずに子ライオンが見つかったことを喜ぶ事にした。
しかし、相変わらずタナトスは不機嫌そうだった。
『ところで何しに来た。 宴が終わったのなら帰るぞ』
その言葉に瞬は驚く。
このまま女神ヘカテが神殿に戻るからと地上に強制送還されたら、せっかくの手掛かりを失ってしまう。
しかし、ヒュプノスは首を横に振った。
『宴はまだ終わってはいない。
ただ、問題が発生した』
『問題だと?』
『キュベレー様がヘカテ様の所にカメレオン座の聖闘士が居ることに気付いた。
今、アテナに対して寄越せと言っている』
「えぇっ!」
いきなり姉弟子がらみの話を聞き、瞬は隣の部屋にニンフがいたら気付かれるのではないかと言うくらいの大声を出してしまう。
しかし、ヒュプノスが抱いている小さな獣は起きる気配を見せなかった。
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