冥闘士に担がれて貴鬼は神殿を後にする。 冥界の闘士たちは器用に何かを避けながら、階段を下りていった。 「何かあるの?」 貴鬼はデッドリービートルの冥闘士・スタンドに尋ねる。 すると巨漢の冥闘士は、 「お前には分からないだろうが、この場所にはたくさんの呪術の紋様が書き込まれている。 耐性の無いお前達を放り込むわけにはいかないから、しっかり掴まっていろ」 と答えた。 確かに貴鬼には呪術が何処に描かれているのか分からない。 彼はしっかりとスタンドにしがみついたのだった。 その時、先行していた冥闘士が急に立ち止まる。 「この先に面倒な暗黒宮がある。 賭になるが閉じこめられるよりは良い」 そう言って、その冥闘士は階段から右よりの方向を指す。 そこは貴鬼には真っ暗な空間しか見えない。 だが、他の冥闘士たちは次々と同意したのである。 「大丈夫だ」 自分の事を担いでいる冥闘士の言葉に、貴鬼も覚悟を決めて頷く。 彼らは暗黒宮を一つ抜けた後、別のルートで外に向かう。 その道は不思議な事に黒い煙など噴きだしておらず、貴鬼は冥闘士達の判断の的確さに驚きを隠せなかった。 |
聖域で言うなら天蠍宮に当たる建物で、ミロは中の様子を注意深く見て回る。 |
神殿ではカノンはもう一度双子座の聖闘士を殴ろうとしたが、彼は何とか怒りを抑えた。 |