巨人アルキュオネウスは、自分の所へ向かう神々の気配が段々と強くなっていく事に気が付いた。 しかし、自分の身体が島の大地と完全に同化するには、もう少し時間が必要である。 それに今の段階で倒す必要はない。 完全に同化が終わってから好きなように、闘士もろとも仕留めれば良いのだ。 不死身になりつつある巨人は、少し離れた所にあるで面白い玩具を見つける。 これを動かしたら楽しそうだ。 彼はそう思い、何の警戒もせずに本体から離れ、玩具の方へと近づいたのだった。 |
静まり返った十一番目の暗黒宮。 |
アルキュオネウスはこの状態に、ある意味戸惑ってしまった。 彼は運命の女神達の加護を得ている闘士を見つけたのだから、さっさと潰すつもりだった。 ところが足が動かなかったのである。 いつの間にか足下を凍らされてしまったのも腹立たしい話だが、大地に足をつけている自分にそのようなことを行えた者が居ることもまた驚くべき事だった。 彼は強引に身体を動かし自由を得たが、目的の闘士を追いかけるタイミングを完全に失ってしまう。 よもや目の前の闘士もまた、何らかの存在が守護についているのだろうか? 彼は自分の本体に戻ろうとしたが、何故か建物から出られない。 厚く張った氷が自分と大地の間に入り込み母神からの力の供給を邪魔をしていた。 アルキュオネウスは、目の前の闘士を倒さねば自由になれない事に気付く。 追い詰められた巨人はカミュに向かって突進した。 |