闇の中で巨人ガイオーンは感覚を研ぎ澄ましていた。 |
八番目の暗黒宮を抜けて、星矢たちはアイオロスの居るであろう九番目の暗黒宮を目指す。 |
黒の神殿で発生した光の爆発。 それは沙織たちの居る場所からも見ることが出来た。 「……」 沙織の表情が一瞬変わったが、彼女は何も言わない。 ミロはこの場に居続ける事に我慢できず、沙織の前に立つと素早く片膝を屈した。 「女神アテナ。 このミロに神殿へ向かう事を命じてください」 沙織は彼の様子を見ながら、しばらく考え込む。 「ミロ。神殿へは星矢たちが向かっています」 「……」 「しかし、暗黒宮に隠されているであろう闇色の闘衣の所在は、何としても確認しなくてはなりません。 例え途中で巨人族と闘う事になってもです。 蠍座のミロ。直ぐに八番目の暗黒宮へ向かいなさい」 とにかく黒の神殿に少しでも近づく事が出来れば! そう考えていた彼は、沙織の命令に深く頭を下げた。 |