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続・同胞 5

「何て奴だ」
巨人の倒される瞬間を見ていた冥闘士たちは、意外な展開に呆然としてしまう。
「これは面白いですね」
急にグリフォンのミーノスに背後から声をかけられて、バルロンのルネとハーピーのバレンタインはぎょっとした。
(今まで気配を全然感じなかった……)
それが実力の差だといわれれば納得もするが、その前に自分たちに対して気配を隠すという彼の行動がよく分からない。
しかし、ミーノスは特に変わった様子もなく言葉を続けた。
「巨人そのものを、柱の機能を抑える楔にするとは……。
あの聖闘士は強敵になりますね」
ミーノスの言葉にルネもバレンタインも一瞬納得したが、強敵というのは今のペガサスの聖闘士に対して使うべき言葉ではない。
「本当に……、待った甲斐があります」
ミーノスはそう呟くと、縮小を始める光の柱に向かって駈け出した。
(待つ?)
彼の言葉にルネは首を傾げた。

その時、今度は別の方向から、仲間の声が聞こえてきた。
「ミーノス様を止めるんだ」
ゴードンの言葉に、ルネたちは何が起こったのかと逆に動きが止まってしまった。

周辺からは呪術の光が弱まり、暗闇が広がり始める。
多分、地上に出現した柱は全て消滅となった筈である。
星矢はとにかく沙織達の許に行こうと思った。
ただ、闇の聖域の入り口を探すのに時間がかかりそうな予感はあった。
(行ける……よな)
何となく不安を感じないことは無いが、とにかく彼はその場を離れようとした。
そこへミーノスがやって来る。
「お見事です」
ミーノスの言葉に星矢はどう返事しようかと言葉に詰まる。
その時、グリフォの冥闘士が怪しく光った。

「コズミック マリオネーション」

星矢はいきなりミーノスの放つ見えない糸に体を拘束される。
「何をするんだ」
彼はもがいたが、その糸は確実に彼の体を締めつけた。