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続・同胞 1

力強く青白い光がデスクィーン島を照らす。
巨人ポイトスは異空間に居ながら、その力の源が何なのか思い出した。

これはギガントマキアにて女神アテナと共に自分たちを追い詰めた女神のもの。
いつか母神を権力の座から追いやるであろう宿命の力。
この時ポイトスは、同じ巨人族であるポリュピュリオーンとアルキュオネウスが、まだ地上に到着していないことを思い出した。
血気盛んなやつらに戦わせて、女神の力を削ぐ。
ポイトスは自分が途中まで作り上げた地上への道を、あっさりとポリュピュリオーンに譲る。
ポリュピュリオーンはポイトスの行動に何の疑問も持たない。
むしろ八つ裂きにしたいと願い続けた女神の力を感じて、地上への道を突き進んだのだった。
その様子を見たポイトスは、今までポリュピュリオーンが作り上げた道に移動する。
もうすぐ地上に出られる所まで道は出来ていたので、彼は難なく外へ手を伸ばした。

延々と続く洞窟の中で、シャカは目的の場所が近い事を知った。
大気に満ちている不可解な力が強くなっている事は、目を開けずとも分かる。
(……)
彼は急に立ち止まる。
(これはフェニックスの……)
粗削りではあるが力強く真っ直ぐな小宇宙。
だが、シャカがそれよりも注意深く探ったのは、同じ方角から感じた人にあらざる強大な気配の方だった。
フェニックスの青銅聖闘士の近くに何かが居るらしい。
しかし、シャカはその気配を無視をする事にした。
心配をするのも愚かしいと思ったからだ。
彼は再び歩きだす。

乙女座の黄金聖闘士の様子に、エスメラルダと貴鬼はシャカが何かを言うのかと言葉を待っていた。
しかし、彼が何も言わずに歩きだしたので二人は置いていかれないように歩調を早めたのだった。

星矢の目の前で、アキレウスは見る見るうちに黒い闘衣に浸食されていく。
「どういうことだ……」
既に彼を人間と言っていいのだろうか。
アキレウスは既に戦う機械のように、星矢に攻撃を仕掛ける。
それは的確ではあったが、人間の動作とは思えなかった。
腕を掴まれた時など、鋭い衝撃を神聖衣の上から感じる。
アキレウスは鋭利な武器を持っているのだろうか。
しかし、そのようなものは見当たらない。
(奇怪しい。
手には武器のようなものは無いぞ)
しかし、戦闘を繰り返す内に星矢は、アキレウスの闘衣が状況によって武器に変化する性質であることに気がついた。

忌ま忌ましき女神を倒して、巨人族の悪夢を終わらせる。
巨人ポリュピュリオーンは、そんな怒りを胸に地上を目指す。
だが、肝心の地上への道は未だに繋げられずに居た。
何者かが作った複数の呪術が機能していて最後の部分を貫通出来ないのである。
別の場所に道を作るべきか。
その選択も無いわけではないが、目の前に怒りの対象がいるという執着が判断を狂わせていた。
巨人の力で壊せぬものは無い。
ポリュピュリオーンは両手で呪術の壁を壊し始めた。