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次々と出現する光の紋様。 聖域では聖闘士や雑兵たちが慌ただしく動く。 しかし、その出現場所の多さに彼らは打つ手が無い状態だった。 それでもダイダロスは、雑兵たちから送られてくる情報をきちんと整理した。 そしてオルフェの音色に反応する紋様が別の色のインクで表示されてゆく。 (……これは……) そのうち彼は奇妙な法則に気付いた。 猟犬星座のアステリオンは、再び老婦人の家に駆け込む。 「とにかく此処から離れてください」 紋様を調べていたオルフェから変な反応を示す場所が近場に点在していると聞き、力ずくでも老婦人と星華を避難させることに決めたのだ。 しかし、老婦人はおっとりとした様子で彼の説得を聞いているだけ。 ところが、不意に彼女は明後日の方向を向いた。 そして十二宮の方に何かがやって来たのかと、逆にアステリオンに尋ねる。 「えっ?」 そう言われてもアステリオンには何のことなのか分からない。 しかし、相手は引退したとはいえ巫女だった女性である。 何かの力を彼女が察知しても奇怪しくはない。 「十二宮の方ですか?」 星華は弟の聖衣がある事を思い出す。 「あの……私、見てきます!」 そう言って外へ出ようとする星華をアステリオンが止める。 しかし、老婦人はアステリオンに付いてゆけと言った。 心に不安を抱える人間は突発的な事をし易いので、こっそりと出て行かれるよりも確認させた方が良いと星華の味方をしたのである。 その代わりに自分は避難所に行くと告げると、さっさと家を出て行ってしまう。 外から雑兵が呼び止められる声が聞こえてきた。 「仕方ない……」 アステリオンは星華を抱えると十二宮へと駆け出したのだった。 ダイダロスは地図が示すものを見て、迂闊にも大声を出してしまう。 「敵の狙いは十二宮だ!」 問題のポイントを線で繋げると、十二宮前の広場で交差。 そしてその場所にはペガサスの神聖衣が置いてある。 ダイダロスが部屋を出ようとした時、既に子獅子座の蛮が部屋を飛び出していた。 |
そして光は結ばれる。 |
聖域に出現した光の紋様。 そのうちオルフェが無反応と判断した物は次々と消滅。 そして残った紋様は、周囲に光の線を伸ばして連結を始めた。 (攻撃が始まったか!) オルフェはダイダロスからの連絡により、十二宮へ向かって足を早めた。 |