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タルタロスの門が不安定となり、冥王の力が弱まったと言うことで地上を目指したギガース達。 しかし、彼らは人間であるはずの闘士たちに次々と倒されてゆく。 背後に居るのは、闘士たちに力を貸すオリュンポス神族。 自分たちをタルタロスの闇に長い間閉じ込めていた者たち。 仇敵の影がチラつく事に、他の巨人たちの怒りは頂点に達する。 彼らは母親である地母神ガイアに、更なる力を自分たちに与えるよう要求した。 |
巨人ミマースは闇の中で香る匂いに引き寄せられた。 不快な臭いと一緒に漂うのは、若い女の匂い。 しかし、その匂いが急に途絶えた。 気になる獲物を横取りされたかと思い、ミマースは実体化する。 人よりもやや大きいかという姿。 巨人がどのような理由でこの大きさを選んだのかは分からないが、味方ではないことは分かっている。 シオンは躊躇わずに必殺技を放った。 「スターダストレボリューション!」 無数の光がミマースの身体に降り注ぐ。 敵の存在を感知していなかった巨人は、闇の中でいきなり攻撃されたことに驚いてしまった。 ミマースは再び穴の中に戻ろうとする。 しかし、巨人に春麗の事を気付かれたくはないシオンは、敵をこの場で抹殺しなくてはならない。 「クリスタルウォール」 この技は本来、相手の攻撃を防御するものなのだが、シオンはこの技で巨人の退路を塞いだ。 (絶対にこの場で片を付ける) シオンが決死の覚悟をした時、彼の耳に何かが聞こえてきた。 |
人間の生まれるもっと昔の物語。 太古の神族が滅びを迎えた後、天空のウーラヌスが神々の王となった。 彼は地母神ガイアの夫であった。 ところが彼はガイアとの間に生まれた巨人族、キュクロープスたちとヘカントケイルたちをタルタロスに幽閉するという暴挙に出たのである。 彼らが居なくては、太古の神族によって自分たちが滅ぼされていたかもしれないというのに……。 これに怒ったガイアは、既に力を付けていたティーターン神族にウーラヌスを権力の座から葬るよう促す。 ティーターン神族は父神を攻撃する事を躊躇いはしたが、自分たちも同じように封じられるかも知れないと思った末子のクロノスが、ガイアの与える大きな利鎌(とがま)を手にした。 そして彼は父神から『神々の王』という地位を奪い取る。 この後、キュクロープスたちとヘカントケイルたちはタルタロスから救い出された。 ところが今度はクロノスが、彼らを再び同じ場所に突き落としてしまったのである。 父神と同じ事をする息子。 この所業にガイアは再び怒り狂う。 しかしクロノスは妻である女神レアーが子を身籠もると、次々と呑み込んで次世代の神々が育つことを阻んだ。 これによってクロノスは自らの安全を確保した。 ところがそれ故に、我が子を呑み込まれ続けた妻の反抗に気が付かなかった。 そしてガイアはクロノスの手を逃れた孫にささやく。 キュクロープスたちとヘカントケイルたちをタルタロスから救い出しなさいと……。 太古の神々を滅びに導いた力を味方にすればティーターン神族など恐れるに足らないと、ウーラヌスやクロノスがひた隠しにしていた秘密を教えたのだった。 |