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目の前で凍らされた柱は、氷河の目の前で光が大蛇のようにうねり始める。 そしてヒビの所から光が漏れたかと思うと、それは物凄い勢いで飛び出し近く大岩を打ち砕いた。 その後には熱に溶かされた大地の傷跡が残る。 素晴らしい力だと言って、 敵の闘士は子供のように笑った。 |
柱の内部では、封じられた力が出口を求めて濁流の如く大地の奥底へと向かう。 地上へと向かっていた巨人族が二人、いきなり出現した光の道を駆け上がり始めた。 一番先に地上へ出て他の兄弟たちよりも優位に立とうと、彼らは考えている。 兄弟といえども彼らにとって仲間は、支配するかされるかの関係でしかないからだ。 |
沙織は春麗たちを見送った後、再び黒き十二宮とその奥にある神殿の方を向く。 |
氷河は再び柱を凍らせようとしたが、敵が先回りをしてその行動を阻止する。 |
『不死身ナレバ、我レノ受ケ皿ニ……ナレ』 |
沙織は白い杖の動く意味に気がついて、今度は杖を離す。 |