生き物の姿がほとんど消えた海中。
その中をチラチラと細い光が現れては消える。 先程、突如起こった現象に海闘士たちは警戒を強めていた。
「やはり細い光の線は、問題の箇所全部に発生しているそうだ」
様子を見てきたアイザックの言葉に、クリシュナは持っていた地図を広げる。 地図にはデスクィーン島を中心に、異常発生地帯が四ヶ所記されていた。 今、そこには海将軍が一人ずつ、そして大勢の海闘士たちが配置されている。
そこへ一人の海闘士が慌てた様子でやって来た。 彼はデスクィーン島に4つの光の柱が出現したと言う。 その報告に二人の海将軍は渋い表情になった。
「……シードラゴンを島に派遣したのは拙かったのでは……」 アイザックは沈痛な面持ちで海の上を見た。 「それは今更だ。 それにあの方は私たちよりもタフだから、テティスを連れて平気な顔して戻ってくる」
クリシュナはの断言に、クラーケンの海闘士は納得しかねていた。 「それはそうと、クラーケンは問題の個所がこの四つだけだと思うか?」 いきなり尋ねられて、アイザックは地図を見た。
既に報告されている情報を元に、印は付けられているのだから。 「何か問題があったのか?」 「そうではない。 ただ、問題個所が集中している事に気を取られて、他が疎かになってはいないだろうかと言っているだけだ」
目立つ箇所とは別の場所から巨人族が出てくる様な事は、絶対にあってはならない。 そう考えると地図で見た限り、警備の手薄な箇所が何ヶ所かあった。
「……クリュサオル。それなら俺が様子を見てくる!」 言ったからには断りを入れたも同然とばかりに、アイザックはその場から居なくなってしまう。
2・3秒後、クリシュナの元へ他の仲間から連絡が入った。
クリシュナは仲間達に次々と報告する。 「私はこれからリュムナデスと交代します。 リュムナデスは後方支援に付いて下さい。 クラーケンなら自分から遊撃役を買って出てくれましたよ。
ですから彼に関しては、これから放っておく事。」 彼は言い終えると、手に持っていた地図を丸めてカーサが居る場所へと走り出した。
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