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結界 6

生き物の姿がほとんど消えた海中。
その中をチラチラと細い光が現れては消える。
先程、突如起こった現象に海闘士たちは警戒を強めていた。

「やはり細い光の線は、問題の箇所全部に発生しているそうだ」
様子を見てきたアイザックの言葉に、クリシュナは持っていた地図を広げる。
地図にはデスクィーン島を中心に、異常発生地帯が四ヶ所記されていた。
今、そこには海将軍が一人ずつ、そして大勢の海闘士たちが配置されている。
そこへ一人の海闘士が慌てた様子でやって来た。
彼はデスクィーン島に4つの光の柱が出現したと言う。
その報告に二人の海将軍は渋い表情になった。

「……シードラゴンを島に派遣したのは拙かったのでは……」
アイザックは沈痛な面持ちで海の上を見た。
「それは今更だ。
それにあの方は私たちよりもタフだから、テティスを連れて平気な顔して戻ってくる」
クリシュナはの断言に、クラーケンの海闘士は納得しかねていた。
「それはそうと、クラーケンは問題の個所がこの四つだけだと思うか?」
いきなり尋ねられて、アイザックは地図を見た。
既に報告されている情報を元に、印は付けられているのだから。
「何か問題があったのか?」
「そうではない。
ただ、問題個所が集中している事に気を取られて、他が疎かになってはいないだろうかと言っているだけだ」
目立つ箇所とは別の場所から巨人族が出てくる様な事は、絶対にあってはならない。
そう考えると地図で見た限り、警備の手薄な箇所が何ヶ所かあった。
「……クリュサオル。それなら俺が様子を見てくる!」
言ったからには断りを入れたも同然とばかりに、アイザックはその場から居なくなってしまう。

2・3秒後、クリシュナの元へ他の仲間から連絡が入った。
クリシュナは仲間達に次々と報告する。
「私はこれからリュムナデスと交代します。
リュムナデスは後方支援に付いて下さい。
クラーケンなら自分から遊撃役を買って出てくれましたよ。
ですから彼に関しては、これから放っておく事。」
彼は言い終えると、手に持っていた地図を丸めてカーサが居る場所へと走り出した。


光の中で現れては消える影。
瞬は見え隠れする映像が、自分の所有するパンドラボックスに彫られているアンドロメダの彫像である事を確認した。
だが、それに触る事が出来ない。
見えない壁の様なモノが立ちはだかって居る様なのである。
しかし、ムウを介して伝えられる情報によれば星矢・紫龍・氷河の方は幻の様な状態で、掴むとかいう以前の問題だという。
(僕が突破口を開かないと!)
彼は意識を集中するとネビュラチェーンを影に向かって放った。