黒の聖域において、白羊宮であろうと思われる建物。
何があったのか、かなりボロボロに痛んでいた。
沙織達は少々離れた所で進む事を止める。
「ミーノス様。これ以上は強行突破になります」
ゴードンの報告にミーノスは春麗を地面におろした。
「女神アテナ。これ以上は呪術の配置が細か過ぎます」
そしてその細かさが、ミーノスたちの冥界異変の原因追求を阻んでいた。
しかし、星矢たち聖闘士には呪術の片鱗も見えない為、何処まで信じて良いのか判らない。
だが、沙織はその言葉に頷くとアルデバランに言って地におろしてもらう。
そしてアルゲティの方を見た。
彼女は白い杖を振って、白羊宮を方を指し示す。
「アルゲティ。やりなさい」
沙織の命令に彼は恭しく頭を下げると、前に進んで白銀の矢を出した。
矢は大弓を使うに相応しい大きさで、闇の中で光を放っている。
いったい何が起こるのか。
だが、誰も何も言わない。
アルゲティが引き絞る弓が、彼の小宇宙と共鳴して淡く輝く。
「ポリュデウケース。 これが私たちの宣戦布告です」
沙織の言葉と共に、矢は放たれたのだった。
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