その炎は、まるで天を焦がすかの様な勢いで吹き上げた。
オルフェは他の白銀聖闘士が来る前に、素早く老人をその場から避難させる。 ダイダロスは手を出す事が許されない神々の審判とも言うべき炎を見つめた。
(これは只の炎で無いな……)
何しろ火柱が立っているというのに、他への延焼の気配がまるで無い。 だが、生き物の様に蠢く炎に阻まれてダイダロスは小屋に行く事が出来ない。 この騒ぎに幾人かの聖闘士たちがやってくる。
「何が起きたんだ」 銀蠅座のディオがやって来た時、ダイダロスが彼に向かって叫んだ。 「アルゲティを連れてくるんだ!」 ディオは何事かと面食らったのだが、昔から知恵者と呼ばれたダイダロスの言葉に異論を唱えず、アルゲティを探しにこの場を離れた。
そして炎は時々得体の知れない獣の様な姿を現しながら小屋を包む。 |