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シャイナはデスクィーン島の様子を注意深く観察した。 |
シャイナは星矢がアテナを守り通した事を知らされた時、純粋に無事である事を喜んだ。 だが、その裏でカシオスの死があった事を知らされた時、気がおかしくなりかけた。 何故、カシオスが死ななくてはならない。星矢の為に死ぬのは自分だったはず。 だが、どれ程自分を責めても、時既に遅し。 大事な弟子は、もう自分の傍には居てくれないのである。 誰かが聖闘士では無いカシオスを、聖闘士の墓場に埋葬するよう働きかけたと聞かされた。 そして彼女は歴代の聖闘士たちの眠る墓場に行く。 しかし心が凍りついていて、涙は出ない。 そんなある日、カシオスの墓の前に一人の男性が立っていた。 聖衣を装着していなかったが、シャイナはその男性が蠍座のミロである事は知っていた。 「ミロ……」 「いい闘士に育てたな。シャイナ」 彼はそう言って墓から立ち去った。 交わした言葉はそれだけだったが、この一言に彼女はようやっとカシオスの為に泣く事が出来た。 (カシオス……。黄金聖闘士のミロが、あんたの事褒めてくれたよ……) ペガサスの聖闘士にはなれなかったけど、彼もまたアテナを守る闘士の一人なのだと認められたようで、シャイナはその場で静かに泣いた。 そしてその日から、彼女の心の痛みは少しずつ変化し始めた。 |
(ヤツは絶対にここにいる筈なんだ!)
しかし、島は物音一つせず、何らかの動きも見えない。 だが、彼女はその研ぎ澄まされた感覚で、何かが闇に潜んでいることに気がつく。 (何かがいる?) シャイナの背後で光りが起こった。彼女は咄嗟に背後を振り返る。 (巨人!?) それは白い気の様なモノを発しながら、無表情にシャイナに向かって拳を振り上げていた。 |