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眠りゆく王 4

『……ハーデス様は女神アテナに倒されたのか……』
その声にハーデスと瞬は驚く。
『姉上!』
ハーデスは直ぐに声を上げたが、瞬は驚きのあまり声が出せなかった。
女性の声は続いた。
『そうだ。だがお前には泣いている暇はない。 今や冥王の大切な冥闘士たちが復活出来るかどうかの瀬戸際だ。是非お前に協力してもらうぞ』
(この声は……)
瞬は思い出そうとするのだが、何故か霧が深まったかの様に声の印象が曖昧になる。
『既にアテナの黄金聖闘士、海皇の七将軍、冥王の三巨頭が全滅している』
再び聞こえてきた女性の声に、ハーデスが叫んだ。
『姉上は天上界へ戻られていない! 女神ヘカテの試練に呼ばれたのだ。
あやつ……本当に自分の望みの為に動いたな』
そして、ハーデスはいきなりエリュシオンから姿を消した。そのいきなりの行動に、瞬は理由を聞く暇が無かった。
いつの間にか風が止んで、女性たちの声が聞こえなくなる。
瞬は沈黙の世界に一人、残された。