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デスクィーン島ではようやく三巨頭が結論を下した。 「さっきの七色の光で、どうやら完全復活が出来たんだ。 さっさとこいつらを起こして、俺たちは一度城へ戻るぞ」 ミーノスは頷いたが、アイアコスは少々不満そうだった。 「満足な調査が出来なかったな」 実は彼はついでに聖域に行ってみたかったらしい。 「仕方ありません。今これ以上の事をすると、後に差し障りがでます。 ここはいったん引き上げましょう」 不穏な事を言う仲間を無視して、ラダマンティスはシュラを起こした。 シュラはようやく意識を取り戻す。 しかし、ミロの方は未だに目覚めない。 「起きろ!山羊座!!」 「お前たちは……」 シュラは咄嗟に右手を構えたが、その手首にはいつの間にか糸が絡まっている。 「山羊座。変な真似をすると切り落としますよ」 ミーノスの言葉に、彼は右手を下ろした。 しかし、彼らは直ぐに立ち上がってシュラとミロから離れる。 「ここに我々がいた事は、詫びる。 だが、敵意を持ってここにいた訳ではない事は理解して欲しい」 ラダマンティスの真剣な言葉にシュラは驚きを隠せないが、殺意の無さは感じていたので、一応頷いた。 その時、彼らのもとに一人の男が現れた。 「おい!三巨頭がここで何をやっているんだ!」 アイオロスを探しに来たカノンが、その最中に彼らの方を見つけたのである。 「シュラ!無事だったのか」 彼は駆け寄るとシュラに手を差し伸べた。 しかし、彼は一人で立ち上がった。 「ラダマンティス、いったい何をしたんだ」 今の彼らがシュラとまだ倒れているミロの敵でない事は、カノンも理解している。 だが、この組み合わせは予想外過ぎた。 「何かしたのは俺ではない。後ろの二人だ」 当の二人は彼の説明に平然としていた。 「ラダマンティス。仲間を売るとは感心しませんね」 「ここは庇うのが仲間じゃないのか」 しかし、言っている本人たちが笑っているのだから、本気のセリフでない事はバレバレ。 「やかましい! 双子座と黄金聖闘士たちの戦いに、お前たちが嫌がらせ参加したのを、俺にどう言い繕わせるつもりだ」 ラダマンティスの言葉にシュラとカノンは驚いた。 彼は話を続ける。 「とにかくこんな理由での聖戦の再発だけは避けたいから、何か問題が発生したらこの二人の首を持っていく。 それで勘弁してくれ」 思いっきり仲間を見捨てた発言である。 するとシュラが驚いたように叫んだ。 「お前たちはあの妖気の中で平気だったのか!」 黄金聖闘士たちはサガの力の爆発と、無数の妖気による身のを拘束で動きが取れなかったのである。 「平気も何も、あんなのに負けていたら冥界の管理なんて出来ないぞ」 アイアコスは笑って答える。 |