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呼び声 6

闇に包まれたデスクィーン島で、三巨頭たちは周囲の様子を伺っていた。
「二日前の騒ぎが嘘の様だな」
ラダマンティスは辺りを見回すが、周囲は静まり返っており、人の気配もない。
アイアコスは地面に手を当ててみる。
「今は別に気配を感じないなぁ」
「あの時と今とは何が違うのでしょうか?」
ミーノスの呟きに、ラダマンティスは (何もかもが違う!) と、心の中でツッコミを入れた。
「時間よりも、今ここに聖闘士と海闘士がいない方が重要なのかもしれないなぁ」
アイアコスはつまらなそうだった。
「それなら、もう戻るぞ!」
ラダマンティスは、問題が直ぐに終わったので上機嫌になったのだが、その時である。
海の方ので何かが光った。
「漁師でもいるのか?」
「どうでしょう。確認してみますか?」
アイアコスとミーノスのとぼけた会話に、ラダマンティスは怒りが噴火しそうだった。
「止めておけ。問題をわざわざ大きくすることはない」
しかし、強靱な理性が無駄に体力を使う事を良しとしなかった。
その時、金色の光が幾つか、先程光った場所へ落ちたのである。
「隕石かなぁ」
アイアコスがのんびりした事を言う。
「それでは見つけて、冥界の執務室にでも飾っておきましょう」
何の繋がりがあるんだと、再び怒鳴りたいラダマンティスだった。
(こいつらとこれからも付き合うのか……)
彼は戦いで倒れる前に、胃痛で倒れそうだった。