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一方、サガを探している黄金聖闘士たちの方はというと、荒野で目的の石を探す様な状態だった。 相手が完全に姿をくらませている為、今何処にいるのか、次の目的が何なのか見当がつかないのである。 ムウからの連絡で、サガはエリスと接触し彼女を依代に封じ込めたという事は知らされたが、接触場所である廃墟とも言うべき神殿にアイオリアが駆けつけても、既に彼の姿は無かった。 「……兄さん……」 一応、女神たちが試練を無事成し遂げれば、兄やアルデバランたちに再会できると知らされているが、彼はそれでも兄を平気で攻撃するサガの所業が許せなかった。 (絶対に捕まえてみせる) その時、彼のもとに男の声が届く。 アイオリアはその声の主を知っていた。 (サガ……) 男の声は、彼をある場所に来る様に言ってきたのだった。 その場所とはデスクィーン島の傍の小さな島。 あの事件の後、『彼』が最初に接触を試みたのは『獅子座のアイオリア』だった。 「貴様……」 アテナに反逆し、兄に逆賊の汚名を着せ、そして今また兄や仲間を傷つけた男が目の前に現れ、アイオリアの瞳が怒りに燃える。 「獅子座、仲間を呼ばないのか?」 しかし、彼は不敵な笑みを浮かべていた。 「貴様など、俺一人で十分だ!」 アイオリアの身体から闘気が迸る。 しかし、彼の表情は変わらない。 「良い小宇宙だ。光に満ちている」 むしろどこか嬉しそうだった。 彼はアイオリアの前に右手を出す。 「光が強ければ、影もまたその姿をはっきりと現してくれるだろ」 そして、次の瞬間、二つの光はぶつかり合った。 |
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