☆ |
|
| ☆ |
エリスがハインシュタイン城へやって来た時、沙織とパンドラは闘士たちと共に玄関ホールに居た。 「あまりに遅いから、迎えに来たぞ」 パンドラと三巨頭たちは初めて見るエリスの姿に、言葉を失う。 「エリス……」 沙織やカノンから話は聞いていたが、それでも馴染みのない女神の姿に驚いてしまったのだ。 「その身体で辛くないのか?」 パンドラが不安げに尋ねる。 「元々、一番馴染む身体だ。無理に別人の中へ入っている訳ではないから心配するな」 しかし、その為に依代である絵梨衣の魂が弾き飛ばされている。 沙織は正直言って、今のエリスを見るのは辛かった。 (絵梨衣さんを絶対に助けるわ……) なのに今の自分にはやるべき事が多すぎる。 彼女の友人であり、星矢の幼馴染みである美穂の顔が、一瞬思い出された。 沙織はこの時、自分の無力さを悔しいと思った。 「さっさと試練を終わらせるぞ。 ヘカテ様の神殿へ伺える期限は今日の日没までだからな」 エリスはその場で踵を返すと、外へと出た。沙織とパンドラもその後に続く。 太陽は既にかなりの高さにまで昇っていた。 |
|
|