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崩壊 4

その爆音が聖域に轟いた時、カノンは発生源が海辺の神殿ではないかと瞬時に判断した。
(無事でいてくれ!)
カノンは鱗衣を瞬時に装備すると、目的地へと駆けていった。

爆発は海辺の神殿を崩壊させた。そして神官や女官たちが倒れている。
だが、倒れている闘士はソレント一人だけだった。少女たちも姿が見えない。
「まったくここは忙しい所だな」
エリスがサガの前に腕を組んで立っている。
「エリス……」
彼はその女神の登場を驚く。
「久しぶりだな、ディオスクーロイの片割れ。トロイアの戦い以来か?」
しかし、争いの女神はサガの変貌を意外と思ってはいなかった。
「三日間くらい大人しくしているかと思ったが、お前がそんなにもテティスにご執心とは知らなかった。
言ってくれれば、あの婚礼そのものを邪魔してやったのに……」
エリスは高笑いをする。かなりの挑発モード。
「貴様……」
彼の声は殺気に満ちたている。
しかし争いの女神はとても楽しそうだった。そこへカノンが駆けつける。
「弟が来たぞ。どうする、ポリュデウケース」
すると彼は双子座の聖衣を外し
「この場は一旦引こう」
と言って、カノンに掴まる直前に姿を消したのだった。
「サガーー!」
捕まえ損ねたカノンの絶叫が、海辺に響く。
沙織たちが海岸へやってきたのは、その後だった。