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その爆音が聖域に轟いた時、カノンは発生源が海辺の神殿ではないかと瞬時に判断した。 (無事でいてくれ!) カノンは鱗衣を瞬時に装備すると、目的地へと駆けていった。 爆発は海辺の神殿を崩壊させた。そして神官や女官たちが倒れている。 だが、倒れている闘士はソレント一人だけだった。少女たちも姿が見えない。 「まったくここは忙しい所だな」 エリスがサガの前に腕を組んで立っている。 「エリス……」 彼はその女神の登場を驚く。 「久しぶりだな、ディオスクーロイの片割れ。トロイアの戦い以来か?」 しかし、争いの女神はサガの変貌を意外と思ってはいなかった。 「三日間くらい大人しくしているかと思ったが、お前がそんなにもテティスにご執心とは知らなかった。 言ってくれれば、あの婚礼そのものを邪魔してやったのに……」 エリスは高笑いをする。かなりの挑発モード。 「貴様……」 彼の声は殺気に満ちたている。 しかし争いの女神はとても楽しそうだった。そこへカノンが駆けつける。 「弟が来たぞ。どうする、ポリュデウケース」 すると彼は双子座の聖衣を外し 「この場は一旦引こう」 と言って、カノンに掴まる直前に姿を消したのだった。 「サガーー!」 捕まえ損ねたカノンの絶叫が、海辺に響く。 沙織たちが海岸へやってきたのは、その後だった。 |
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