☆ |
|
| ☆ |
(まさか!) 無人の金牛宮を駆け抜けたところで、カノンは『強烈な殺意』を感じた。 誰のかは一瞬で分かった。 (これがサガの中に潜む邪悪か!) こうなると海辺の神殿へ行く前に、こっちを片づけないとならない。 (あいつらが、テティスを連れ出してくれて助かった) カノンはアルデバランに神殿にいて欲しいという連絡をすると、双児宮へ急いで引き返したのであった。 「これはいったい……」 神殿で沙織は妖気を感じた。 その直後、シュラとカミュが駆け込んでくる。 「アテナ、ご無事でしたか!」 「いったい何が起こったのですか!」 沙織の問いに答えたのは、後からやってきたアフロディーテだった。 「これはサガの黒い意識です」 「サガの……」 「やはりアレとは対決しなければならないようです」 沙織は唇を噛んだ。 ところがカノンが双児宮に着いた頃、サガの姿は何処にもなかった。 一足先に来ていたデスマスクもまた、彼を探している。 「積尸気冥界波を使ったんじゃないのか」 「あれがそれ位でくたばる男か!」 人の兄を捕まえて暴言極まりなしだが、カノンは妙に納得していた。 「もう一つの人格が出ると、サガは化け物染みた奴になる。あいつは何を飼っているんだ」 そう聞かれてもカノンが知る訳がない。ただ、デスマスクの言い分は的を射ていると思った。 サガの中には何かとんでもないモノがいるのを、彼は幼い頃から気付いていた。 そしてそれは自分の前では絶対に現れない。 「何があったんだ!」 ミロとアイオリアが駆けつけた。 |
|
|