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「あいつらが来ただと!何で連れて行く事を俺に黙っていた」 双児宮の一室で仮眠を取っていたカノンは、アイザックからの小宇宙による連絡で飛び起きた。 「どうしたんだ。カノン」 「海辺の神殿に、あいつらが来ていたんだ。ちょっと行ってくる」 カノンは慌てて海辺の神殿へ向かう。 サガは、そんな弟の後ろ姿を見る。 (まぁ、頑張れよ) カノンは海闘士であり、双子座の黄金聖闘士。 ポセイドンは封じられている今、もしかすると自分の弟は、平和の象徴なのかもしれない。 それが自分の都合のよい解釈であっても、彼には嬉しいことだった。 『いきなり失った時間を取り戻そうとするな。これからいくらでも取り戻すのだろ』 昨夜のエリスの言葉は、多分あの場にいた聖闘士たちへの言葉なのかもしれない。 (だが、私は許されざる罪を犯した。ならば永遠に罰を受け続けよう) その時、サガの耳元で声が聞こえた。 『今ならあの女を、一思いに処分出来る。アテナとあいつを海の呪縛から解き放つ……』 サガの中で、黒い闇が膨れ上がった。 そして、その禍々しい力は十二宮を駆け巡った。 黄金聖闘士たちの何人かは、それが何であるか知っている。 「あのバカ!押さえきれなくなったな!」 デスマスクは巨蟹宮を飛び出した。 |
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