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「それから、十二宮には女神たちが利用する秘密の扉がある」 魔矢の軽い調子の発言に、四人とも席を立って身を乗り出した。 「女神たちが一方的に繋げたモノだから、どうすることも出来ない。当時の黄金聖闘士た ちは既に諦めていたらしい」 その時カノンは、エリスが瞬く間に自分たちを神殿まで連れていった方法を理解した。 「まさか階段を使わずに神殿へ行けたのはその方法か!」 「やっぱり使ったか。エリス様は……。 あの方は面倒を嫌うあまり、面倒を引き起こす」 魔矢は感心し、ジャガーは苦笑をする。 「でも、本当は争いの女神に相応しくない程、優しい方なのだ」 四人は一斉に疑わしそうな顔になった。 「それは身贔屓ではないのですか?」 ムウはきっぱりと意見する。魔矢は困った表情になった。 「まぁ、いきなり信じてくれというのも図々しい話だけど、実は俺たちがこの世に出てきたのは、こっちが望んだ事なんだ。 あんたたち四人はこの十三年間、聖域から離れていただろう」 四人はわざとここに残された事に気付く。 「俺たちは聖域の崩壊を見せつけられて、これは何とかしなきゃと焦っていたら、あの方が墓地にやって来て言ったんだ。 『アテナを守りたいのなら代表を五人選べ。その者たちに肉体を与えてやろう。 そしてアテナ側の聖闘士たちを鍛えろ』 実は歴代の聖闘士たちが代表に選んだのが俺たちなんだよ」 四人とも絶句していた。 |
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