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夜が更けてくると、さすがに沙織も睡魔には勝てなくなる。 「アテナ、少々私に付き合ってもらいたい」 今まで亡霊聖闘士たちのバカ話しを黙って聞いていたエリスが初めて言葉を発した。 「どうしたの?」 「星が見たい。神殿へ行かないか」 闘士たちは二人の会話に注目している。 「良いわよ」 沙織は立ち上がる。 「それから、いちいち他の黄金聖闘士たちに質問されるのは面倒だ。 双子座、付いて来い」 名指しされてサガは驚く。 「私がか?」 「サガはまだ、話を聞いていたいの?」 沙織に言われてサガは慌てて席を立つ。拷問のような昔話から解放されるのだから、嫌な訳がない。 しかし、自分の過去の経緯を考えると、素直に席を経って良いのかとも思う。 不安気に他の四人を見たが、誰も反対をしない。 「エリス様!」 いきなり亡霊聖闘士たちが立ち上がる。 「今日はご苦労だった」 エリスは彼らの方を向こうとせず、そう言って沙織と一緒に部屋へ出ていった。 「やれやれ、これでお開きか?」 カノンが背伸びをする。 ところが亡霊聖闘士たちの表情がいきなり真剣になった。 彼らの雰囲気の変わりように、黄金聖闘士たちは気付く。 今までの話はアテナの前でのバカ話しだったのである。 「これからが本番ということか?」 童虎は目を光らせた。 いきなりクライストとヤンが席を立った。 「出入り口を見張ってくる」 彼らは素早く部屋から出ていった。 「本格的じゃな」 あまりの厳重さに、童虎は驚く。 「これから話す事は、この場限りにしてもらいたい。 そして貴方がたの中で、一人は確実にここでの話を次世代に引き継いで欲しい」 ジャガーのいきなりの頼みに、四人は面食らった。 |
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