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巡り逢う魂 3

地上へ脱出してみると、デスクィーン島の空は燃えるような夕焼けだった。
パンドラはじっとその空を見ていた。
「ここの空は凄い迫力だな」
彼女は空に両手を伸ばす。
「ハインシュタイン城の夕日も綺麗だったが、ここは空が迫ってきそうだ」
そんな彼女の背後にエリスは現れた。
だが、空に感動している彼女は肩を叩かれるまで気がつかなかった。
「パンドラ、今日のピクニックはこれで終わりだ。ハインシュタイン城へ帰るぞ」
「あの少女達はどうするのだ?」
「一応、聖域で預かってもらう」
ソレントは驚く。
「テティスは我々の仲間です。海に連れて行っては駄目なのですか?」
「海は今、女神ヘカテの管轄。何も言わずに聖域に連れて行け。
どうせ双子座の連れてきた少女も只者ではあるまい。 それなら一括してアテナに任せておけば良い。
あそこなら人手はある」
パンドラはサガとカノンに近づくと、少女たちの手を握りしめた。
「また会おう」
すると不思議な事に二人の少女は、ほんの少し笑みを浮かべる。
しかし、直ぐに元に戻った。
「その二人を頼んだぞ」
エリスはサガにそう言うと、パンドラと三巨頭たちを連れて行った。
「俺たちも戻ろう」
カノンに言われてソレントは困った。
聖域に行くべきか、仲間たちにテティスの事を知らせるべきか。
「セイレーン、今はあいつらは女神ヘカテの客人。争い事を匂わせて、女神たちの試練に影響を与える訳にはいかない。しばらく待て」
ソレントは頷くしかなかった。
(この人はいったい何者なのだろうか……)
『本当に奇跡のような存在』
オルクスでの彼女の言葉が脳裏に蘇った。 
(そして、エリスは何を知っているのだろう?)
それを自分が知る日が来るのか。
(ジュリアン様の所へ、早く戻らねばならないと言うのに……)
意外としか言い様のない自分の考えに、彼は思わず苦笑した。