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巡り逢う魂 1

『あの方の罪は、私がこの身をもって償おう』
サガはその声に驚き、目を覚ました。
「ここは……」
辺りを見回すとそこは、扉と同じような幾何学模様で埋めつくされた円形の部屋。
壁には青白い明かりが幾つも灯っている。
「おい、カノン」
自分の隣で倒れている弟を揺り動かす。 するとカノンは何かに驚いたようにいきなり上体を起こした。
「どうしたんだ、カノン」
「あっ……夢か」
「夢?」
カノンは立ち上がると大きく背伸びをする。
「見知らぬ少女を抱いて、泣いているテティスがいた」
「テティス?」
「海闘士の一人だ。七将軍のメンバーでは無いから、今はいない……」
カノンは言いたくない事を言ってしまった気がした。
「その場面に覚えがあるのか?」
「無い」
彼はきっぱりと答える。
「テティスも鱗衣を着てはいなかったし、何より夢の中のテティスは二十代くらいだった。 今のあいつは十五才だ」
彼はズカズカと部屋の奥へと歩く。サガも周囲を見回すが、壁しかない。
しかし、カノンはある部分の壁の前では、鱗衣が細かく震える事に気付いた。
「ここが怪しいなぁ」
だが、壁には細工されている様子はない。 彼はしばらく壁の前で考え込んだ。
ちょうどその時サガが中心を挟んで反対の壁を調べていると、いきなりカノン側の壁から何かが出てきた。