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女神の聖域 6

「獅子座、さっきの話は本当か?」
「いったいなんだ!」
アテナのことが心配で、彼の語尾がやや荒い。
「山羊座が女官を置いていない事を嘆いていただろう」
「そうだ、アテナはこちらにいる時は小さいころから仕えているタツミという男に身の回りの事をやらせている。そいつは今は日本だ」
ジャガーは腕を組む。
「女官を置くと言う話は出ないのか?」
「……アテナはまだここに来て日が浅い。それはこれから決めようとしていたのだが……」
「そうか、それならいいが」
そしてジャガーは遠くに見える神殿を見つめた。
アイオリアは何故彼がそんなことを聞くのか、少し不思議に思った。 そんな彼らの横を金色の光が駆け抜ける。
「今のは何だ?」
「いや……、気にしないでくれ」
アイオリアは説明したくなかった。
今通ったのはシャイナを担いだミロだったからである。

神殿へ連れてこられたシャイナは黄金聖闘士たちを叩き出すと、沙織を着替えさせる事にした。
「……あっ……」
沙織が言葉を漏らす。
「アテナ、気が付かれましたか?」
「…………」
沙織は何かを呟いていたが、シャイナには聞き取れなかった。
そして彼女はまた眠りについた。
(悲しい夢を見ていらっしゃるのか?)
沙織の瞼から涙が零れた。