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女神の聖域 3

ちょうどその時、瞬をアルデバラン、氷河をアイザックが抱えて、ほぼ同時に十二宮前に戻ってきた。
「どうしたんだ!」
カミュが氷河を受け取る。
「師匠、それが分からないのです。事の子細が分かるまで保護しておいて欲しいと言われました」
それを見ていたクライストが氷河の顔を覗き込む。
「そうか……、あんたはキグナスの師匠だったのか」
「……そうだが……」
「俺もこいつと闘ったことがあるが、良い聖闘士に育てたな」
クライストは笑う。
結局二人は、十二宮の近くにあるアテナに仕える神官系の人々がいる社殿の方へ連れて行かれた。
十二宮では、はっきりいって医者がやってこれない。
「デスクィーン島では何が起こっているのだ」
シュラは忌ま忌ましげに叫んだ。

そして今度は一輝を連れてデスマスクが戻ってきた。
「アフロディーテ、こいつを頼む。俺は紫龍を拾ってくる。 それから老師、さっきサガとカノンがデスクィーン島で穴に落ちて行方不明になった。」
そう言ってデスマスクは十二宮を駆け上がった。
「デスマスク!紫龍に何をしたんじゃ! いや、あの二人が行方不明だと!」
童虎は思わず叫んでいた。
しかし、黄金聖闘士が穴に落ちたのも恥ずかしい話だが、行方不明はもっと情けない。
一応、小宇宙で呼びかけたが、返事は返ってこなかった。
(何がいったい起こっているんだ)
今度はアイオロスに呼びかけると、彼からアテナと共に二人を探しに行くとの返事。
「まったく世話がやける」
アフロディーテは仕方なく一輝を担ぐと、社殿へと向かった。その様子を見て、クライストはヤンに話しかける。
「あいつらの顔が見れるとは思わなかったな」
ヤンは嬉しそうに頷いた。
そこへミロと共に魔矢がやって来た。
「やはり黄金聖闘士は強いよ」
魔矢はとても楽しかったらしいが、隣にいるミロの方は何故か落ち込んでいる。
「……ミロ、どうかしたのか?」
この様子に童虎も心配になった。
「いえ……、何でもありません」
言い訳はしたくない。取り逃がしたのは事実。
だが、シャイナに無様な姿を見られた。
よくぞ魔矢を殺さずにおいたと、自分の自制心を恨めしく思った。