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「未熟者め」 童虎は彼らの様子を見てそう呟いた。 しかし、自分もまた未熟者と笑われても仕方ないと思い苦笑する。昨夜、どうしても五老峰にいる養い子の春麗が心配で、ムウの所へ行って貴鬼に彼女の事を頼んできたのである。 但し、女神の試練が終わるまでは、自分たちのことはなるべく喋らないでいてくれと頼むのを忘れなかった。 自分たちの命は、それこそ女神ヘカテが握っている。 (試練の内容が過酷ならば……) 童虎はそこでこの問題について考えることを止めた。 「しかしデスクィーン島に黄金聖闘士たちが集まらねばならないとは……。何かあったかのぉ」 こっちは、いくら考えても思い当たるモノが無い。 しばらくして童虎のもとにアイオロスからの小宇宙による連絡が入った。デスクィーン島で、青銅聖闘士のアンドロメダが見つかったという。 もしかすると他の四人も見つかるかもしれないと、かなり慌ただしい連絡だった。 (何故、そんな所で……) いくら考えても答えは見つけられない。 童虎はいても立ってもいられず守護宮をでると、十二宮前の広場へと向かう。 彼が広場へ着く頃、黄金聖闘士たちの勝負も大体付いていた。 次々と亡霊聖闘士たちが黄金聖闘士たちに連れられて、広場へとやってきたのである。 「老師、先程の光は!」 シュラに聞かれて、童虎は隣にいる男をじっと見た。 何かを思い出しそうなのだが、もやが掛かっていてどうしても思い出せない。 「老師?」 シュラの怪訝そうな顔に、童虎は我に返る。 「デスクィーン島でトラブルだそうじゃ。だがアテナは無事じゃ」 「私も行きましょうか?」 「いや、アルデバランがアテナの傍にいるから心配はするなと連絡が入っている」 童虎は昔の記憶を手繰りよせ始めた。 楯座のヤン、以前紫龍が闘った亡霊聖闘士たちである事は紫龍自身から聞いている。 だが本人を前にして、童虎自身が彼を知っているような気がした。 |
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