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「これは広場?」 地の底にたどり着いた沙織は、その場所の意外な姿に驚いた。 「らしいな。だが冥界の建築様式とは違う」 パンドラもまた興味深げに辺りを見回す。 彼女たちが降り立ったのは穴と同じ大きさの円形の広間で、その壁には青白い明かりと複数の通路があった。 「誰か来る」 シャカが通路の一つのほうを向く。 誰が来たのかは、姿を見せなくても直ぐに判明した。 聞き覚えのある声だったのである。 「またここだ!」 広間へ出てきた男はうんざりしていた口調だった。 「カノン!」 沙織は嬉しそうにその名を呼ぶと、カノンの方へ駆け寄った。 「アテナ……」 その後ろから出てきたサガが驚きの表情をする。 「サガも無事なのね」 沙織は二人の腕を掴むと、妹が兄に甘えるように間に入って二人の顔を見た。 「どうしてここに……」 「どうしてって、二人が穴に落ちたから心配で見に来たのよ」 するとサガは後ろにいたアイオロスに向かって叫んだ。 「アイオロス!何故アテナをこのような危ない場所に連れてきた。早く聖域にお連れしろ」 しかし、アイオロスは嬉しそうに笑うだけだった。 カノンは別の人物に目を止めた。 「アテナ、何で冥闘士たちがいるのですか?」 「助っ人に来てくれたのよ」 沙織自身が助っ人では無かったのかと思わない事も無い。心の中で冷静になれと念じる二人だった。 その時、カノンはある事を考えつく。 「すみませんがちょっと……」 彼は沙織から離れると、その人物へと駆け寄った。 「ミーノス!糸を出せ。糸を!」 いきなり言われてミーノスは面食らう。 「何ですか、いきなり!」 「失礼でも何でもいい。ここは迷宮になっていて、どうしてもこの広間へ出てしまう。とにかく目印が欲しいんだ」 エリスはそっとパンドラに耳打ちする。 彼女は疑いの眼差しを向ける。 「大丈夫だ」 エリスの強引な説得に、パンドラは仕方なく言われた通りにした。 |
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