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続・女王の島 2

アイオロスはカノンとサガが落ちた巨大な穴の傍で、星矢を見つけた。
(酷い傷だ……)
彼の腹部にはハーデスに刺された剣の痕があり、大量の血が固まっていた。
「ペガサス……すまない……」
アイオロスは星矢を触って驚いた。 身体がまだ温かいのである。
しかし、それでは逆に何故この状態で命があるのかが判らない。
(もしかしたら助かるかもしれない……)
彼は星矢を抱き上げる。
その時、彼の脳裏にとある思いが浮かんだ。
(女神エリスなら……)
冷たい笑みを浮かべる争いの女神。
彼は意を決して聖域ではなく、沙織の元へ戻った。
(サガ、カノン……)
小宇宙で呼びかけたが、返事は無かった。

アイオロスが星矢を連れてきたのと、エリスたちが一輝を連れてきたのは、ほぼ同時だった。
沙織は星矢の腹部の傷を見て、真っ青になる。
「神の剣で付けられた傷は、人間の手では治せない。 今、治してやるからペガサスを下ろせ」
この言葉にアイオロスは自分の判断が当たった事を知ったが、それを喜んだりせず、むしろ辛そうな表情で星矢の事を見た。
「治せるの?」
沙織は争いの女神の腕を掴む。
「黄金のリンゴを使う。これは貸しだ
沙織は素直に頷いた。
だが、今までの事を総括すると貸しの数はかなりある気がする。
(一括返済させてくれるといいけど……)
争いの女神相手に、危険な事を考えてしまう沙織だった。
そしてアイオロスに星矢を地面に下ろさせると、エリスはその右手に輝くリンゴを出す。
それは光を放って星矢の身体に入り込み、その傷を癒した。
「もしかして、私もこの方法で傷を治して下さったのですか?」
ソレントの言葉にエリスは、不機嫌な顔になった。
「怪我をしたままでは使い物にならないだろう」
既に彼は女神の憎まれ口を気にしたりはしない。
(自分の責任はちゃんと負うんだ……)
しかし、傍迷惑な女神には変わりなかった。