INDEX

女王の島 7

しばらくしてムウが沙織たちの所へ戻ってきた。
「何で居るんですか?」
パンドラとラダマンティスを見た彼の第一声はこれだった。かなり怒りを押さえた発言である。
「エリスが呼んでくれたみたい。 ところでアイザックはどうしたの?」
沙織の手前、個人的な感情は排除しなくてはならない。ムウは強固な自制心を発動させねばならなかった。
「途中でキグナスが見つかったので、彼に託して聖域へ戻って貰いました」
「氷河も見つかったの!」
「半分、身体が地中に埋まっていましたが、大地が裂けた時、上手く助け出す事が出来ました」
しかし、ムウの話を聞いてアイオロスとソレントはあることに気がついた。
「攻撃がカノン(シードラゴン)に集中する!」
アイオロスはムウに居るよう頼むと、沙織とパンドラに一礼してその場を離れた。
(カノン、サガ!早く島から逃げろ)
アイオロスは彼らに、叫ぶような思いで呼びかけた。

得体の知れない力とどう闘えば良いのか。カノンはあてもなく駆けている。
仮初めの身体では心の反応に肉体がついて行けず、彼らは苦戦していた。
ところが彼は一瞬、炎の気の強いこの大地で海の気配を感じたのである。
(まさか!)
彼は急に立ち止まる。
「カノン!何やっている」
サガが叫んだ時、アイオロスからの小宇宙による声が届いた。
(カノン、サガ!早く島から逃げろ)
「!」
大地が今まで以上に大きく揺れた途端、そこは大きな穴へと変化してしてしまったのである。
二人はその穴へと呑み込まれる。
その瞬間を沙織と黄金聖闘士たちははっきりと感じた。

そして地震はピタリと止んだのだった。