☆ |
|
| ☆ |
しばらくしてムウが沙織たちの所へ戻ってきた。 「何で居るんですか?」 パンドラとラダマンティスを見た彼の第一声はこれだった。かなり怒りを押さえた発言である。 「エリスが呼んでくれたみたい。 ところでアイザックはどうしたの?」 沙織の手前、個人的な感情は排除しなくてはならない。ムウは強固な自制心を発動させねばならなかった。 「途中でキグナスが見つかったので、彼に託して聖域へ戻って貰いました」 「氷河も見つかったの!」 「半分、身体が地中に埋まっていましたが、大地が裂けた時、上手く助け出す事が出来ました」 しかし、ムウの話を聞いてアイオロスとソレントはあることに気がついた。 「攻撃がカノン(シードラゴン)に集中する!」 アイオロスはムウに居るよう頼むと、沙織とパンドラに一礼してその場を離れた。 (カノン、サガ!早く島から逃げろ) アイオロスは彼らに、叫ぶような思いで呼びかけた。 得体の知れない力とどう闘えば良いのか。カノンはあてもなく駆けている。 仮初めの身体では心の反応に肉体がついて行けず、彼らは苦戦していた。 ところが彼は一瞬、炎の気の強いこの大地で海の気配を感じたのである。 (まさか!) 彼は急に立ち止まる。 「カノン!何やっている」 サガが叫んだ時、アイオロスからの小宇宙による声が届いた。 (カノン、サガ!早く島から逃げろ) 「!」 大地が今まで以上に大きく揺れた途端、そこは大きな穴へと変化してしてしまったのである。 二人はその穴へと呑み込まれる。 その瞬間を沙織と黄金聖闘士たちははっきりと感じた。 そして地震はピタリと止んだのだった。 |
|
|