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女王の島 6

「こりゃぁ、潜って中心核を見つけないとならないな」
デスマスクは面倒くさそうな表情をした。
(意識はそれをつなぎ止める何かが必要だ。
それを破壊すれば反撃が出来る。 もしかすると暴走するかもしれないが、何とかなるだろう)
そっちの方が危険かもしれないが、彼は別に気にしてはいない。
面白いと判断したからだ。

ミーノスはその時、大地の向こうで揺らめく影を見つけた。
「どうしたんだ、ミーノス」
アイアコスは彼の見つめる方向を見たが、そこには何も無かった。
「目の錯覚だと思いますが、石像のようなものがありました」
「本当か!」
「今はもう見えません。気のせいかも知れませんね」
彼は視線を自分の足元に移す。 彼らの居る場所は海沿いにある陥没した穴の前だった。
今立っている断崖の下には、黒い雲のようなモノが蠢いている。
「お前たちから見て、これは何だと思う?」
エリスも下を覗き込む。
「アテナたちを閉じ込めていたモノとは違うようです。
あちらは何らかの行動理由があったようですが、これは意識が途切れ途切れですが読み取れます」
「怒りや恨み、困惑。結構、否定的な意識の固まりだな。 一人や二人では無さそうだ。何千何万という数だろう」
ミーノスとアイアコスは、これをどうしたら良いのかしばらく考えてみた。
「潜ってみるか」
アイアコスの呟きにミーノスは驚く。
「お止めなさい。いくら貴方が三巨頭の一人でも、こんなモノに入ったらどうなるか判りませんよ」
「でも、ここにいても退屈なだけだ」
アイアコスはそう言って、さっさと飛び込んでしまった。
「アイアコス!」
ミーノスは慌てて彼の後に続いた。
そしてその時、暗い意識の塊から小さな光が輝いた