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そして、アルデバランの危惧通り。トラブルは発生した。 それもかなり大がかりな現象となって、彼らに襲いかかったのである。 一行が島を歩いていると、何処からが地鳴りが聞こえてきた。 「地震か?」 カノンは咄嗟に沙織を抱き上げる。 「うわっ!」 いきなり足元の大地が裂けたのである。 その割れ目から白い帯状の何かが現れる。 「とにかく散るんだ!」 アイオロスが叫んだ瞬間、彼の足元が割れた。 「!」 そして、金色の光が彼を包む。 アルデバランも同じように自分の聖衣を呼んでいた。 息つく暇のないくらい、白い何かはカノンと沙織を追いかけている。 自分を追っているのか。沙織を追っているのか。 他の闘士を見てみると、何故かアルデバランだけは悠々としている。 彼が歩くと、何故か大地が元に戻っているのである。 「アルデバラン!アテナを頼む」 カノンは急いで沙織を彼に渡す。 彼は頷いて沙織を肩に載せた。 牡牛座の聖衣が淡い光を放つ。 「いったい何が……」 沙織は目の前の光景に驚く。 その白いモノは確実に海闘士たちを追っており、その余波でアイオロスが攻撃されているように見える。 だが、それはいきなり沙織とアルデバランの周りを包みこんだ。 「アテナ!アルデバラン!」 全員が驚きの声を上げる。 「アテナはご無事だ。だが閉じ込められたらしい」 白い光の壁の中から、アルデバランの声が聞こえる。 「アルデバラン!とにかくアテナをお守りしろ。 そこから出す手だてを考える」 アイオロスが壁に触れようとすると、その手に強力な衝撃が走る。 「!」 だが、これが何なのか彼には見当がつかなかった。 (仕方ない。一筋縄ではいかないようだ) アイオロスはエリスの様子を見る。彼女は平然としていた。 そして彼は決意し右手を上げた途端、荒れ狂う大地の上に三つの金色の光が舞い降りた。 「ムウ、サガ、デスマスク!海闘士たちをサポートしてくれ! 俺は元凶を探す」 すると周囲の様子を見たデスマスクが 「この白いのは死んだ人間の気だ。なんとかの一念とばかりに、力が具現化されている。 そいつを排除すれば、終わるだろう」 と、あっさりと判断した。 「……デスマスク……」 「これは俺が適役だろう。見つけたらさっさと地獄に送ってくるから、カノンたちが先にくたばらないようにしてくれ」 彼はそう言ってその場を立ち去った。 「アイオロス。ここはデスマスクに任せよう」 親友の言葉に彼は頷くと、エリスの方を見た。 「私の方は心配するな。海闘士たちを頼むぞ」 しかし、彼らの不安はエリス自身から目を離す事だった。 (仕方ない……) 三人ともお互いに目を見合わせると、瞬時にそれぞれの海闘士の元へ行った。 サガはカノン。ムウはアイザック。アイオロスはソレント。 そして闘士たちの姿が見えなくなった頃、エリスもまた姿を消した。 |
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