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ソレントは海底神殿の前で目を覚ました。 不思議なことに壊れている筈の神殿は、硝子のような質感で寸分違わずに存在していた。 (女神ヘカテの趣味か?) 辺りを見回すと、懐かしいメンバーが六人倒れている。 (……やはり起こすのは彼からにしよう) ソレントは一人の男のもとに近づくと、いきなり起こして頭部の鱗衣を取り、彼の頬を拳で殴った。 「痛ッ!」 シードラゴンのカノンは何が起こったのかさっぱり判らず、目の前にいるソレントのことを呆然と見る。 「……セイレーンか?」 「そうですよ。とにかく他のメンバーを起こしましょう」 「何で俺はここにいるんだ?」 「とにかくみんなを起こして下さい!」 拳を握っているソレントの迫力に負けたカノンは、渋々立ち上がった。 ソレントとカノンの起こし方は強烈で、全員頬が赤くなっていた。 「ところで我々は青銅聖闘士たちに負けたんだよな」 バイアンは疑問を口にした。 「そうです」 ソレントが青筋を立てながら答える。 「それからの記憶が一切ない」 アイザックが首を捻った。 「それは無いでしょう。冥界に落ちたのですから」 ソレントの婉曲な表現に、カノン以外青ざめた。 でも本人は的確な表現だと思っている。 「なんだか神殿の様子が変だが、建て替えたのか?」 クリシュナの真面目なボケにソレントは苦笑した。 「海の支配権が一時、ポセイドン様から女神ヘカテに移ったんです。多分あの神殿も女神の管轄になったのだと思います」 どこから説明していいのか。彼は頭が痛くなってきた。 「随分、色々な事を知っているなぁ」 イオの言葉で、全員の視線はソレントに注がれる。 「何かやったんですか?」 カーサの言葉に彼はデットエンド・シンフォニーを吹きたくなった。 |
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