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光と共に 4

オラクル内に緊張が走る。
エウリュディケーは全員の顔を見回すと、杖を高く挙げて宣言をした。
「ここに全員の闘士が揃った事を認めます」
沙織は自分の横に立っているアイオロスの顔を見た。
彼がまた消えてしまうのではないかと思い、どうしても手が離せないのである。
「次の試練は三日後に行われます。内容はその時にお知らせいたしますから、女神エリス、女神アテナ、パンドラ様、十分休息を取ってください」
「ところで、このままなの?」
沙織は足元の聖衣たちを見た。
「私が今から皆さんを地上に送ります。 一応、その時に闘士の皆さんは復活されますが、完全な蘇生は次の試練を成し遂げてからになります。
それまでは通常の生活には支障はありませんが、ただ、怪我には注意してください。仮の身体のようなものですから、回復力がかなり落ちています」
アイオロスは自分の手を見た。
「それでは皆さん、お気をつけてお帰りください」
エウリュディケーが深々とお辞儀をすると、オルクスの壁が風に乗る砂のように散っていった。
そして足元に闇が広がり、水面に今まで立っていたかのように全員を呑み込んだ。
「アテナ、お掴まりください」
とっさにアイオロスが沙織を抱き上げる。 そして、足元には聖域の姿。
いきなり沙織と黄金聖闘士たちは聖域上空に放り出されたのである。
「みんな、起きてぇぇぇぇ〜」
沙織はアイオロスに掴まりながら叫んだ。