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「もうすぐ、最初の試練が終わる」 ジャガーはエリスの言葉に頷いた。 「ここで一区切りになるから後はお前たちが好きなようにやれ」 「判りました」 「あまり、がっかりさせるなよ」 小声でそう会話した後、エリスはソレントの元に近づいた。 「セイレーン。今回は迷惑をかけたな」 ワガママだと思っていた女神の言葉に、ソレントは驚いた。 「いえ、最初は驚きましたが、今は貴女の英断に感謝します」 「シードラゴンと再び会う事になってもか?」 ソレントは苦笑いをした。 「今は正直言って葛藤があります。もしかすると彼ではないシードラゴンが出てくるんじゃないかと、そんなことも考えてしまいます」 争いの女神は即答する。 「それはない」 「えっ?」 「今回のシードラゴンは面白い星を持っている。本当に奇跡のような存在だ。 この男に関わると、面白いものが見れるかもしれないぞ」 ソレントはシードラゴンの鱗衣を見た後、エリスの方を厳しい眼差しで見つめた。 「貴女は何を企んでいるのですか?」 「争いの女神にそれを問うか? だが、今回は迷惑をかけたのだから、後で贈り物をしよう」 エリスはそう言うとエウリュディケーとパンドラの方へ歩いていった。 |
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