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海よりも深い青
その14 |
テティスは鱗衣をまとっていないカストールを味方だと判断したらしく、彼に促されて立ち上がる。 |
「後でそのような事が無いと判ったのなら、どんな処罰でも受ける。 だが、万が一奴らに奪われたら、それこそ取りかえしがつかない」 最年少の海将軍の真剣な眼差しに、スキュラの海将軍は溜息をついた。 「ならば早く海底神殿から脱出させよう。 客が来てからでは難しくなる」 スキュラの海将軍は他の海将軍たちに知らせておくと言って、部屋を出た。 |
「大丈夫なのですか?」
テティスに問われてカストールは頷く。 「大丈夫です。 彼らもまたパラス様の味方です」 その返事にテティスは嬉しそうに笑う。 彼は再び心が痛んだ。 以前のテティスなら、このような反応はしない。 だが、それを悲しむ時間はなかった。 |