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海よりも深い青
その10 |
脳裏に人の声が響く。
クリュサオールの鱗衣が細かく震える。 |
海皇のもとで海を守護する闘士たちとそれらを束ねる海将軍。
彼らは海皇と海の武神である女神パラスを誇りとしていた。 だが大神ゼウスはその女神に対して警戒していた。 聖域を束ねる女神アテナの親友。 ギガントマキアにおいて、華々しい活躍をした猛き武神。 彼女を褒めるものはとても多い。 だからこそ問われた。 もし海皇と女神パラスが仲違いをしたら、海将軍たちはどちらの味方をするのだ? 神々の悪意。 女神アテナには聖闘士がいる。 だが、女神パラスには闘士はいない。海闘士は海皇の闘士なのだから。 では、海将軍たちは女神パラスを切り捨てるのか? 神々の悪意の本質は其処だった。 人間の信仰と信頼に対する問いかけ。 主を海皇として女神パラスを討ち取るのか。 それとも女神パラスを選んで海皇から離れるのか。 苦肉の策として女神に専属の闘士を与え、禍根を作り上げるのか。 神々は海将軍たちを試したのである。 |
初代のクリュサオールの海将軍はクリシュナに問う。
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