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海よりも深い青
その9 |
海底神殿から離れた所にある牢屋に、4名の海将軍は向かう。
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「……パラス……。私が守るから、安心しなさい」
女神テティスは神殿内の一室で、可愛がっていた子を抱きしめる。 とっさに呪術を使ったので、海闘士如き人間に見つかる恐れはない。 「……パラス……」 眠る様に動かない女神を抱きしめて、彼女はポロポロと涙を零した。 マーメイドの鱗衣がそっと女神テティスを見あげている。 |
その牢屋は、牢と言うよりも得体の知れない壁と言った方が良かった。
クリシュナは息をのむ。 周囲に描かれている紋様は、牢屋の中の海将軍を閉じ込める為に必要だったという。 そして今の時代のクリュサオールの鱗衣は、別の場所でやはり同じように異空間に密閉されていると説明された。 そこまでやらなければ、この人物の力は押さえ込めない。 クリシュナは一緒に来ていたクラーケンの海将軍に何か言われたわけでもなく、牢屋に近付いた。 |